2006年01月

a fate worse than death

ただ一度の愛を知っている

ただ一度の優しさを知っている

ただ一度の温もりを知っている

与えられる事も

与える事も 覚えている

それらの間には 如何なる約束事も無い事

けれどそれらは まるで昔からの約束の様に

紡がれ 繋がり 巡る事を 覚えている

覚えているから

知っているから

私は忘れる事が出来ないのだろう

その仄かな温もりにすら 焼け爛れてしまう自分を

その僅かな優しさにすら 融けてしまう自分を

その愛に 盲いる自分の眼を

私は忘れる事など出来ない

それは私にとって

死よりも恐ろしい事だから  

震天

私は駆ける

この地上を砕きながら

今ここで走らなければ

何時走るのか

私は駆ける

この空を揺るがせながら

今停まってしまうと

こんな風は二度と来ないと思うから


生きる為に泥を食み

死ぬ為に空を飲み

私は片時も眠らずに

この時を待っていたのだから

私は風を従えて

この崖から身を投げる


私は吠える

それは死への歓喜

それは生への憎悪

私の叫びは空をも揺るがす

私の叫びは大地をも砕く

この心地良い風が傍に居てくれるから

私は何処にでも何処までも行ける


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